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首コリのメカニズム
「首コリ」は、日本女性の美容の大敵。  首の筋肉は5kgほどある重い頭を支えて姿勢を保ちながら、目の動きなどに反応して前後左右へ精巧に頭を動かすという重要な役割を持っています。日本人は、欧米人に比べて首と肩を結ぶ筋肉量が少ないためにコリが生じやすく、男性よりも筋肉量が少なく筋力も弱い女性は、コリの症状がさらに出やすいとされています。日本女性にとって、首が太く腫れたようになり、自然な首筋の形状が損なわれてしまう「首コリ」は、美容面を含めた大敵です。
「首コリ」が起きるのは? 長時間のデスクワークやパソコン作業で首を前に傾ける、頭を前に出しているなど不良な姿勢をとり続ける、また、精神的なストレスによって首まわりの筋肉が緊張状態を続けると、筋肉の組織に微小な損傷が生じます。微小な損傷を受けた筋組織の内部から放出されるCaイオンによって局部の筋肉が持続的に収縮し、それによって血流の循環障害が起きると局部は酸素不足となり周囲から痛み物質が放出され痛みが発生します。脳からは“痛みを回避するために局部を動かさないようにする”防御反応の指令が出されるため筋肉の収縮はさらに持続します。このような悪循環によって筋肉が過緊張し、これが継続した状態によって「首コリ」となるのです。
「首コリ」で首が太くなるのは、なぜ? 筋肉が収縮して血流が滞ると、血液中の水分がそこから血管外に漏れ、筋肉の周囲にある脂肪や皮膚の下に貯まります。これによって、むくみが生じます。また、血管から滲みでた血漿成分の一部はリンパ液としてリンパ管を通って排出されますが、リンパ系は心臓のようなポンプ機能ではなく周囲の筋肉の動きなどによって流れを生じさせているため、コリによって筋肉の動きが制限されるとリンパの流れも悪くなると考えられます。このように、筋肉のコリとむくみが重なって生じることで、首は太く腫れたようになるのです。
「首コリ」はどこに起こる?  「首コリ」は、とくに首の後ろから背中にかけて広く覆っている僧帽筋(上部僧帽筋)、耳の後ろから前方斜めに鎖骨まで伸びている胸鎖乳突筋で起きるコリによって発生すると考えられます。さらに、僧帽筋とともに首を動かし肩甲骨を持ち上げる働きをする肩甲挙筋や頭をささえる頭板状筋など、首・肩まわりのすべての筋肉がコリの発症する部位となりえます。
「首コリ」対策にはマッサージを。 首まわりのマッサージは「首コリ」症状を改善するのに有効です。僧帽筋や胸鎖乳突筋に対するマッサージを行うと、過度な筋肉の収縮がほぐれ緊張が緩和します。硬く張っていた筋肉が柔らかくなり縮まっていた筋肉が緩んでくると、前かがみなどの不良な姿勢も改善されます。また、マッサージにより筋肉内の血流障害を無くし、排水溝であるリンパ管の流れを良くするとむくみが取れるため、太く張った首を改善し自然な首筋の形状を保てるようになると言えます。 なお、マッサージ等でも緩和しないようなひどい首・肩コリの場合は、頸椎椎間板ヘルニアによる神経痛や胸郭出口症候群など頚椎疾患の可能性もありますので、専門医受診をおすすめします。  <解説>磯見 卓氏(整形外科医) 医療法人ベネヴォラ 磯見整形外科医院 医師/日本整形外科学会専門医/日本整形外科学会脊椎脊髄病外科指導医 /日本整形外科学会スポーツ医 /聖マリアンナ医科大学 整形外科 非常勤講師
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